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キューバの旅(2) 〜社会主義国の発端になった都市サンティアゴ・デ・クーパ〜

キューバ共和国(Republic of Cuba)
面積 110,922平方km 人口 1,124万人 首都 ハバナ 言語 スペイン語
民族 ヨーロッパ系25%、混血50%、アフリカ系25%
外務省HP2012年6月現在基礎データより

キューバ(スペイン語でクーパ)の東南にある第二の都市で、1953年7月26日、フィデル・カストロ率いる160名の青年兵士が、キューバ革命の発端となるモンカダ(陸軍)兵営の襲撃を行なった場所である。
また、伝統的キューバ音楽「ソン」発祥の地であり、ヘミングウェイの「老人と海」にも登場する都市で、漁師の町でもある。
貧国でありながら街で生活する人々の「明るさ」や「温かさ」に触れるのはキューバ独特の雰囲気だ。

(第4日目)  AM8:00ホテルを主発して最初の見学地サンペドロ・デ・ラ・ロカ城に行った。この城は海賊の襲撃を防ぐために16世紀にイタリア人によって建てられた堅牢な要塞である。
高さ60mで、下部に武器庫、上部に礼拝堂と宿舎、牢獄があり現在も残っている。この城砦の最上部から見えるカリブと海半島の美しい風景は訪れる人の目を奪う。あまりにも写真撮影に夢中になっていて、途中の階段で足を滑らせ、ダイナミックに転倒し肘と膝を怪我してしまった。しかし、見学に訪れていたイタリアのツアーの人たちに傷の手当をしてもらって、何とか軽傷ですんだ。

昼食は早めの11:00に、砦近くのカリブ海を見下ろすレストラン「エルモーロ」で美味しいえびのトマトソース煮込みなどを楽しんだ。
午後は、キューバ革命の火蓋を切った歴史的な場所に行った。最初は市内から13km離れた『グランヒータ・シボネイ』を訪れた。ここはモンカダ兵営襲撃の準備のため潜んでいた場所で、マンゴの木の生い茂る中に建っている別荘風の家屋で、大通り沿っており、カストロたちは武装蜂起する人間たちが潜んでいることなど予想していなかった。
しかし、政府軍の襲撃に合い多くの同士が亡くなった。建物の中には当時の革命軍の武器や政府軍に虐殺される革命軍の生々しい写真など多数展示されていた。革命を成功させることはいかに難しいか、また多くの犠牲者がでるということをつくづく感じさせられた。
次に、市内に戻りモンカダ兵営博物館を見学した。1953年7月26日、カストロ率いる革命軍がバティスタ政権打倒を掲げて襲撃した。しかしキューバ国内第2の規模の兵営はそう容易く落とせず、この襲撃作戦は失敗に終り121名の革命軍のうち61名が死亡し、カストロ兄弟も逮捕された。館内には共に犠牲者(戦死者)及び捕虜にされて拷問を受けた革命兵士の写真やゲリラ戦の襲撃の様子、Mー26のユニホームなどが展示されていた。どうもこういう虐殺や拷問の写真を見るのは耐え難いが、これも歴史を知る上では大切な資料かもしれない。
ホテル帰る前に、サンティアゴ・デ・クーパの旧市街を散策しながらバカルディ博物館やキューバ市民の生活の様子を見て歩いた。途中葉巻・ラム酒を販売するショップ「ラ・バリータ」に立ち寄ってラム酒など購入した。

夕食後、アントニオメイシオ空港(サンチャゴ)より飛び立って、ハバナのホセマルティ空港に向かった。
(第5日目)
早朝ホテルを出発して、ハバナから東へ約280q(約4時間)にあるキューバ中部の都市サンタ・クララ市(人口20万)へ向かった。サンタ・クララ葉別名ゲバラ・シティと呼ばれるほど、ゲバラとはゆかりの深い都市である。
最初に、チェ・ゲバラ霊廟(Monumento Emesto Che Guevara)を見学した。この霊廟は没後20年を記念して、1987年にゲバラの銅像(6mを越す)と、同じく戦闘で亡くなった38人の慰霊を込めて建てられた。確かにゲバラの功績はキューバにとって大きいが、何故カストロを群像として崇め、巨大な銅像を建てないのか、不思議に思ったが、後になってそのわけが分かった。
(詳しくは、後の号で記載することにする)
ゲバラの銅像の台座にはHasta la Victoria Siempre(常に勝利に向かって)と書かれ、更に銅像横の石のプレートにはゲバラがフィデル・カストロに充てた別れの手紙が刻まれていた。また霊廟の裏側にはゲバラに関する資料館と納骨堂があり、資料館にはチェの幼少期から青年期までの写真、キューバ革命当時の武器とボリビアでの日記や当時の日常品及び使用品が展示されていた。納骨堂には石の壁があり、その中に棺が納められていた。また顔のレリーフがそれぞれの犠牲になった革命兵士の遺骨と一緒に名前が刻まれていた。国を変えるということは多くの犠牲と勇気が必要なのだなあとこの霊廟を見学して感じられた。残念ながら館内は写真及びビデオは禁止され撮影できなかった。
霊廟から車で僅かなところにゲバラ率いる革命軍がバディスタ政府軍の装甲列車を襲撃した場所があり、行ってみた。線路が外され、約400人の兵士と武器や弾薬を積んだ装甲車を脱線させたもので、この出来事がサンタ・クララの戦いのクライマックスだったといわれ、バディスタ政権打倒のきっかけになったようだ。この時の状況は映画『チェ28歳の革命』の中で描かれている。私もキューバを訪れる前に2度この映画を観てきていて克明に覚えていたので、凄く興味を持っていた。ただし、我々が訪れた時は、残念ながら装甲車の内部は見られなかった。次に、この場所から車で5分位の場所に共産党サンタ・クララ支部があり、玄関の階段を上がる手前に子連れの狼風のゲバラ像があるで見に行った。
昼食後、約3時間(160q)かけて世界遺産に登録されているトリニダーに向かった。トリニダーはキューバに残る古い町のひとつで人口が約35000人が住み、まるで町自体が博物館を思わせる場所である。18世紀の建造物が多く残されれており、19世紀中頃の奴隷制度廃止まで、繁栄を極めていたが、その後立派な町並を残したまま衰退していった。スペイン植民地時代に建てられたコロニアル風の街として一見の価値がある。特に印象に残ったのが、旧市街の中心にあるマヨール広場、サンティシマ教会、ロマンティコ博物館だった。
それと歴史を漂わせる石畳とカラフルな街並は迷路のような造りはタイムトンネルで南米の町に落とされた気分にさせられた。想像していたトリニダーの町と違っていたのにはいい意味で驚いた。街の一角にある「ラ・カンチャンチャラ」という酒を飲みながらキューバ音楽を楽しんだ。

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