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中国の旅(1)〜2000年の歴史に彩られた悠久の古都〜

(1日目)
5月2日、診察を終え東京駅最終便の新幹線で名古屋へ向かった。空港直近のホテルで一泊し、翌朝3日9時の中国東方航空で経由地となる上海へ向けて旅立った。上海では入国審査を済ませ、一路この旅の目的地「西安」へ出発した。

西安の咸陽(かんよう)空港へは2時頃到着した。この空港は先の上海の空港と比べかなりローカルな空港であるらしく規模は思ったより小さかった。空港を出ると早速ガイドさんに連れられて漢陽陵博物宛へ向かった。ここは前漢第4代皇帝景帝とその皇后の墓で、彩色陶俑や各種文物が地中に埋まった状態で上からガラス越しに見られるように陳列されている。

その後夕食のためレストランへ向かったのだが時間はまだ午後の3時であった。驚いてその理由を聞いてみたところ、単にガイドさんが早く仕事を終えて帰宅したいためだとわかった。と言うわけで5時には宿泊先となるホテルに到着ししばらく休息の後、今回通訳として同行してもらった私の甥中島元春といっしょに西安の中心街にある鼓楼(ころう)と長楽門(東門)周辺を散策した。そして古き中国を髣髴とさせる路地に入るとそこは一般市民が多く買出しに出てきていて、歩くのもままならぬほどの混雑様で活気にあふれていた。

 

この日は早々に観光を切り上げてホテルへ帰った。

(2日目)
朝6時半起床。ホテルで朝食を済ませ8時15分、迎えの車に乗って西安最大の見所である『秦兵馬俑博物館』へ向かった。途中、秦始皇帝の陵墓を車中から見学し1.5kmほど走ったところにそれはあった。博物館前の広場は想像していたより広大でそれだけで私は圧倒されてしまった。

いよいよ最初の一号坑に入る頃には既に中は黒山の人だかりで、なかなか兵馬俑の姿を目にすることができないほどであった。東西230m南北62mの建物の中に5mの深さの地下坑道が掘られ、約6,000体の武装した兵馬俑が38列にわたって並んでいた。まさに秦軍の威容を現代によみがえらせたものだ。その迫力は想像をはるかに上回るものだったが、現在発掘されているのは全体の三分の一で残り三分の二はまだだと聞いてさらに驚いた。

二号坑は一号坑に比べて広さは狭く、主に発掘状態を現すものが主体であった。次の三号坑には兵馬俑の最高指揮部隊に当たるものが置かれ、坑道内に64体の兵俑、馬四頭立ての指揮車1両があった。そして最後、隣の棟にある展覧館で銅馬車を見学した。この銅馬車は秦の始皇帝が使ったとされるもので時の経過を物語るように緑青がびっしりとふいていた。この秦兵馬俑博物館には平日で2万人、連休ともなると1日4万人の観光客が訪れるという。

次に、冬の離宮とも称される『華清池』へと向かった。華清池は楊貴妃と時の皇帝玄宗とのロマンスで有名で、2,700年前に発見された陝西省内でも有数の温泉があり、その風景美は今なお訪れる人の目を楽しませている。以前、華清池はこの9倍もの広さを有していたという。私にとって興味深かったのは華清池向かって左に位置する山の中腹に西安事件で国民党の蒋介石が共産党を率いる張学良等に追い詰められて逃げ込んだとされる小屋があったことだ。

午後、陜西歴史博物館を見学した。ここでは特別閲覧として秦の時代の兵馬俑の実物や秦銅銭(2,000年前のもの)を直接手にとって見ることができた。その後、市街地の明代城壁(唐の長安城を基礎にした)と東西南北四つの門の中の物見やぐらに当たる城楼、箭楼を見学した。なにしろこの城壁は長大で周囲14kmもあり3周するとマラソンコースとなる距離である。特に南門(永寧門)では城壁に上って西安市内を見渡すことができた。ここからの眺めは遠く西方のシルクロードを一望でき、その素晴らしさと言ったら圧巻というしかなかった。

この夜はここから程近い興慶宮公園内にある唐代風建築のレストラン「南薫閣」で楊貴妃宴を堪能した。中華料理というのは次から次へと料理が出されてくるのに、それらを平らげてしまっている自分に我ながら感心した。

ホテルに帰ってからガイドさんに案内されて足裏マッサージ(足浴マッサージ)を受けその日一日の疲れを癒した。

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