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イスラエルの旅(1) 〜色んな民族が暮らす北部の都市〜

イスラエル国(State of Israel)
面積 2.2万平方km 人口 約770万人 首都 エルサレム
宗教 ユダヤ教,イスラム教,キリスト教,ドルーズ 言語 ヘブライ語,アラビア語
外務省HP2011年12月現在基礎データより

1億人のイスラム圏の中に建国するユダヤ人の国イスラエルを今回9日間の予定で縦断した。イスラエルといえば、世界各国で「嫌われ者」として挙げられている国である。相次ぐ国連決議を無視して40年以上、パレスチナを占領支配し続け64年に渡りイスラエル国として国家を築いている。超大国アメリカの支援なくして成り立たない国であり、何か不条理を感じる。今や中東の中でも最強の軍事国家を築き、これまでの相次ぐ紛争の中、奇跡的ともいえる経済成長を遂げ、先進国に匹敵する生活水準を実現したパワーに驚かされるものがある。今回、現実のイスラエルと「国なき民」パレスチナ自治区を訪れたことは、歴史を知る上では絶好の機会だったかもしれない。
<第1日目>  
暮れの29日、成田空港を9時10分に発ち韓国のインチョン国際空港を経由してイスラエルのベングリヨン(テルアビブ)空港に夜の9時ごろ到着した。この夜はテルアビブの中心にあるホテルに宿泊した。



<第2日目>  
朝7時30分に起床し朝食後、9時にホテルを出発して車でティベリアへ向かった。1時間位してカイゼリアの遺跡に到着した。ここでは導水橋とローマンシアターを見学した。水道橋は地中海海岸沿いに9qに渡って引かれているもので、ローマ時代の建築を代表するものである。もう1ヶ所のローマンシアターは円形劇場で1960年に発掘された遺跡である。舞台の方向が海からの風向きを計算に入れて造られており、自然の音響が劇場の隅まで聞こえる仕組みになっている。念のため、大声を出してみたところ評判通り音が全域に広がった。


昼食後、1時間半かけて十字軍の町とも言われているアッコーに着いた。アッコーは紀元前16世紀フェニキア人の港湾都市として繁栄した歴史ある魅力的な町である。過去には十字軍、マルルーク朝、オスマン朝が繰り返し支配していた。特にオスマン朝時代が長く、寺院や隊商宿などが多く造られた。今回は十字軍の地下要塞跡と隊商宿を見学した。次に1時間近く車を走らせ今夜の宿泊地ティベリアに入った。

<第3日目>   
8時に起床し、ホテルを9時に発って今日の最初の見学地パツォール遺跡を訪れた。この遺跡はイスラエル最大の古代遺跡で、紀元前14世紀のエジプトの文献にこの地名が出てくる。長らくカナン人の町として栄えた町で、ハッォールのヤビン王、ソロモン王などが要塞化したといわれ、その時代の建物の跡が次々に発掘されている。その中でも、古い岩をうがった貯水槽は古代のものとしては素晴らしく、当時の人たちの頭の良さが伺える思いがした。また、旧約聖書の舞台となり、聖書に登場する丘(テル)として世界遺産として登録されている。

昼食は聖書にもある聖ペテロの魚を食べた。食事の後、ガリラヤ湖畔にある山上の垂訓教会、パンの奇蹟の教会、ペテロ首位権の教会、カペナウムを見学した。最初はカペナウム(慰めの村)にはいると正面に天国の鍵を持つペテロの像がでーんと立ち、奥には教会というより八角形の形をした、USOのような建物があり、その下には、古代の洞窟住居跡やシナゴーク跡が見られた。更に左手奥のシナゴークにはローマ時代の床や石柱、鴨居がみられ、当時を偲ばれる。カペナウムはイエスが伝道をしていた中心地であっただけにその時代の遺跡が数多く残されている。ローマ時代とイエス時代のものが混ざり合っている貴重な遺構である。





次に訪れたのは、 パンの奇蹟の教会である。この教会はイエスが2匹の魚と5つのパンを祝福して増やし、説教を聞くために集まった5000人を満腹にさせたという奇蹟にちなんで建てられた。教会内にビザンツ時代の美しいパンと魚のモザイクが残されている。その他、蛇や鳥、色々な種類の植物が描き出されている。
3番目に見学したのがペテロ首位権(聖ペテロ召命教会)の教会である。ここは湖畔を歩いていたイエスが、漁師のペテロとアンデレの兄弟に出会った場所として有名である。教会の右奥に「イエスとペテロの像」がひっそりと立っていた。

教会の中はメンザクリスティ(キリストの食卓)と呼ばれる大きな岩があり、復活後のイエスが弟子に食事を与えたとされる。私が行った時は、スペインから来た数人の巡礼者が岩にしがみ付くように祈りを捧げていた。
教会の最後は、山上の垂訓教会である。この教会は高さ125mの山に建てられ、ガリラア湖を見渡せる立地の八角形の美しい教会である。

イエス思想、教義を弟子たちに向けて説教をした教会として有名であり、ここで「求めよ、さらば与えられん」などのフレーズが生まれている。
一通りの教会を見学してからガリラヤ湖を船で遊覧するため向かった。船はイーガル・アーロン博物館から出ており、遊覧前にこの湖で偶然発見された紀元1世紀のボート「イエス時代の舟」が展示されていた。この古代の舟は木で造られ、この時代のものが残っていたのが不思議なくらいである。発掘・修復されたイエスの舟は見学する我々を感嘆させるものがあった。展示物を見た後、遊覧船でガリラヤ湖を木造船で遊覧した。この湖はイスラエルの水がめといわれ、湖面は海抜213mで湖としては死海に次いで低い。不思議なことにこのクルージングに来ると雨が降るようで、他の旅行者もみんな雨具を身につけていたのには驚いた。船頭さんもサービス精神よろしく訪れる国の国歌斉唱をしてくれて我々を楽しませた。
今日一日朝から夕方までぎっしり観光があったためちょっと疲れ果てた。この夜は美味しい赤ワインと料理を満喫して眠りについた。

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