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ギリシャの旅 〜歴史の壮大さを感じる国〜

昨年訪問したトルコ、ギリシャに続いて、今回は再び歴史と遺跡の国、ギリシャを訪れた。8月中旬成田空国を出発し、フランス・パリを経由して、長い渡航を経て目的の地、ギリシャ・アテネに到着した。ギリシャはパルテノン神殿(世界三大建築の一つ)、オリンピア・ミケーネ遺跡、そしてエーゲ海の島々で有名であるが、今回の最大の目的は、医学の父ヒポクラテス最期の安住の地であるラリサと、医療と健康の神であるアスクレピオスの神殿(エピダウロス)を訪ねることであった。

まず最初の目的地であるラリサは、アテネのペロポネソス駅から列車に乗って3時間半かけて到着した。ラリサには観光地らしい名勝はないが、ギリシャでは有数の大きな都市で、二十二万人の人が住み、ピオニス河右岸の平野に位置する交通の要である。この地は大陸性気候のため、夏と冬の気候の差がはっきりしていて農作物が作り易く、空気や、水も最良であることから、ヒポクラテスが晩年の地としてこの場所を選んだというのも理解できるものである。

翌日は再びアテネに戻り、医神・アスクレピオスを祀った神殿のあるエピダウロスに向かった。途中、ギリシャ本土とペロポネソス半島の繋ぎ目であるコリントスに立ち寄ったが、ここはコリントス運河が有名で、サロンコス湾からイオニア海へ通じる航路の要として栄えた町である。そして、コリントスから南へ三十キロほど下ったところには、紀元前十四世紀から十三世紀に栄え、トロイ戦争出兵で有名になったミケーネ遺跡がある。四十度に近い暑さの中、大きな宮殿跡と「獅子の門」を訪れ、いよいよ第二の目的地であるエピダウロスに到着したのである。エピダウロスに、アスクレピオス神殿、アルテミス神殿をはじめ、古代の姿をそのままに残した古代劇場が有名である。一万四千人を収容する扇形の劇場は、舞台を囲んで観客席が階段状のなっており、いまだその音響効果は素晴らしく、毎年ギリシャ劇が上演されている現存の古代劇場である。再びアテネに戻った私は二日間に亘り代表的の神殿や遺跡を見学した。特に有名なアクロポリス神殿はアテネの中心部に位置し、その名の由来は高い丘の上の都市という意味である。パルテノン神殿、イロド・アティコス音楽堂、ディオニソス劇場などが点在し、その美しさは世界三大建築の名に相応しく、世界遺産の最高峰として称えられている。ギリシャは決して裕福な国ではないが、ここに住む国民は豊かである。都市部よりも、むしろ島の人々のほうが生活は豊かで、観光客を相手に一年に二、三ヶ月しか働かなくても生活していけるのである。また世界で最も安全な国と言われるほど犯罪が少ない。教育は小学校から大学まで国立で学費はタダであるが入学は難しく、イギリス、フランス、イタリアへの留学も多い。ギリシャは気候風土から牛が育ち難く、羊や山羊、または海鮮類が食生活の中心である。そのためかファーストフードが成り立たなく、アテネでたった一軒のマクドナルドも人気がなく閑散としていた。

今回の旅で感じたのは、この国にはソクラテス、プラトン、アリストテレスの哲学や思想が大切に受け継がれ、医学においてもヒポクラテス、アスクレピオスが崇拝され支持されていることである。古代の偉大の訓えを継承しながら、心豊かに暮らすこの国に大いなる魅力を感じ、一医療者として心に残るギリシャの旅であった。

 

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