オリーブ油は最高級の植物油で、香り・色・調理特性・生理的効果などの特質が他の植物油と比べて断然優れており、絞ったまま利用できる唯一の植物油です。

オリーブの起源は小アジアとされ、シリアからトルコを経てギリシャへ拡がったとされています。

日本に初めてオリーブオイルが持ち込まれたのは約400年前の安土・桃山時代で、キリスト教を伝えるため来日したポルトガル人神父が携えてきたものでした。当時は、ポルトガルの油と呼ばれていました。

その後、明治になってアメリカから輸入した苗木で香川（小豆島）だけが栽培に成功したことで、日本でも普及しました。

オリーブ油には大まかに分けて3種類あります。

果実をそのまま絞ったバージンオイル、精製オリーブオイル、精製オリーブ油にバージンオイルをブレンドしたオリーブオイルです。

その中でも新鮮味、栄養ともに最高といわれるバージンオイルの中には、血中のコレステロールを減少させ血液をさらさらにする働きがあるオレイン酸が79%含まれていて、さらに細胞の若返りに有効なスクアレンなど珍しい成分も入っています。

その他健康効果として、心臓や動脈系統の病気の予防、便秘の予防、胃酸過多や胃潰瘍にも有効であると報告されています。

植物油は、揚げる・炒める・和えるが主な調理法ですが、オリーブ油はさらに調味料の役割が加わります。

パスタなどにはもちろん、ハーブ類や香味野菜との相性もよく、カルパッチョはオリーブ油を調味料として利用した料理の代表です。

オリーブ油といえば地中海料理と思いますが、意外に和食にも合います。

特に醤油との相性が良くので、お寿司に一滴垂らして食べてみるのも粋な食べ方です。

また、バターの代わりにトーストに垂らしたりあたたかい料理の仕上げに一振りしたりというのもお勧めの食べ方です。

その他食用だけでなく、美容のために乳液や栄養クリームとして肌にスリ込むとしっとりつやつやになります。それと、オリーブ油は紫外線をよく吸収するので肌に直接当たる紫外線の量を大幅に減らしてくれるという点で紫外線予防にも役立ちます。

髪を洗う前に頭皮にスリ込んでマッサージすると、髪を傷めず乾燥を防いでくれます、最後のすすぎ湯に１、２滴垂らしてすすぐとオイルリンスとしての効果があります。

オリーブ油は血中コレステロールを減らす効果があるとは言え、油脂であり１g当たり約9Kcalあるのでメタボリックシンドロームを指摘されている方や体脂肪の気になる方は調理の際使用のしすぎに注意してください。