フカヒレは中華三大高級食材のひとつです。
調理に手間と時間がかかることから、古来より高級食材、高級料理とされてきました。
中国料理の長い歴史の中で、フカヒレの歴史は比較的新しく、400年程前の明の時代中期15世紀からで、一般的に調理するようになったのは清の時代19世紀からと言われています。
日本では江戸時代に、中国への輸出品として存在していたとされ、江戸幕府にとっては金、銀、銅の代わりに決済できる品で、中国との貿易において重要な輸出品と位置付けられていたようです。

フカヒレは、サメ類のヒレを乾燥させて加工したもので、ジンベイザメ、ヨシキリザメ、ドチザメなど、色々な種類のサメのヒレが使用され、尾ビレ、背ビレ、胸ビレ、腹ビレと全てフカヒレになります。
フカヒレには、コンドロイチンという軟骨を形成する栄養分が含まれており、老化防止や関節痛の緩和に効果を発揮します。そして、滋養強壮や骨の強化、腰痛やリウマチの緩和やガン細胞の増殖や転移を予防する効果もあります。
また、フカヒレはゼラチン質が多く、コラーゲンも多く含まれています。コンドロイチンの働きと共に、肌が本来持っている機能を活性化し、円滑にします。

加工上形の崩れて一本一本バラバラにほぐれたフカヒレは、スープの具として使い、扇のような綺麗な形状のものは、姿煮にして食されます。いずれも、トロミを付けた、じっくりと煮込む料理がよくあります。
最近では、身近なラーメン、お寿司のネタなどにも使われています。
フカヒレ自体には全くと言って良い程味がありません。そのためフカヒレ単品の料理は無く、スープや姿煮など、鶏や豚などの副材料の旨みがぎっしりと詰まったスープでじっくりと煮込んで、味を含ませて食べる調理法がほとんどです。
また、加熱しても溶けないコラーゲンは唯一フカヒレに含まれています。
コラーゲン特有の免疫機能を高める作用で、卵や牛乳などタンパク質性以外のアレルギーの改善にも期待できます。

フカヒレは、非常に手間のかかる食材で、下処理を怠るとニオイが残ってしまいます。
しっかり下処理をしてから煮込むと臭みが消えて、柔らかいゼラチン質の食感が味わえます。乾物のフカヒレの戻し方は、沸騰させたお湯が入った鍋にショウガとフカヒレを入れて煮込みます。
保存する時は、水を張ったパットに入れれば冷蔵庫で5日間程日持ちします。