ウイルス性肝炎

先頃肝炎ウイルスに汚染された可能性のある血液が、献血時の検査をすり抜け、その後輸血に使用されたということが報道されました。なぜ、汚染された血液が厳重な検査から漏れてしまったのか。そして、このウイルスのせいで発症するウイルス性肝炎に着目したいと思います。

肝炎ウイルスは現在確認されているだけで、ABCDEの5種類あり特に注目されるのは、ABCの3種類です。A型は食べものなどを介して体内に入って発症し、BC型は血液などの体液を介して発症します。

そもそもウイルスというのは、タンパク質などの栄養素などに紛れて細胞に侵入・寄生し、細胞の器官やエネルギーを利用して増殖します。ウイルスは1つの細胞の中で数個から数百個の単位で爆発的に増えて行きます。しかしながらこのスピードを持ってしても検査に引っ掛かる量に達するまでには感染から1ヶ月ぐらいかかるそうです。(B型肝炎の場合)ですから感染から1ヶ月以内で献血されてしまうと検査からすり抜けるという図式が出てしまうのです。

ウイルスはその種類によってとりつく細胞が決まっています。馴染深いインフルエンザウイルスは喉の細胞を狙い、肝炎ウイルスはその名のとおり肝細胞が標的で、一度侵入を許して汚染された細胞は“異物”としてからだに判断され、免疫機構から攻撃を受けて破壊されていきます。肝細胞の破壊が進むと肝臓本来の機能である血糖の調節やアンモニアやアミン類の解毒ができなくなります。アンモニア類が解毒されず脳まで達すると深刻な脳障害をひきおこす“肝性昏睡”になります。その他にも肝炎は進行すると肝硬変症そして直接命にかかわる肝癌になる可能性がある恐ろしい病気です。次項では肝炎の進行の度合や種類によって分けていきたいと思います。

(1) 軽症肝炎=強い黄疸をともない発病します。肝細胞の破壊は軽度で残った肝細胞によって再生し痕跡を残さず治癒する場合が多いです。急性肝炎とも言われ、A型が殆どで、B型C型の順番でそれに続きます。
(2) 劇症肝炎=発病後肝臓全体に急激に破壊が及び、最終的には肝臓の体積が1/2から1/3に縮小するほど肝細胞の融解が進みます。患者は肝性昏睡をはじめとする肝不全症状を呈し、多くは発症後約1ヶ月以内で死亡します。発症は急性肝炎が進行して出る場合とB型肝炎ウイルス(HBV)キャリアの人が突然発症し、劇症化する場合があります。
(3) 慢性肝炎=6ヶ月以上の肝臓機能異常とウイルス感染したままで排除できない状態です。何年にも渡り慢性化し一部は肝硬変、肝癌へゆっくり進行していきます。C型が全体のほとんどで少しB型もあります。

肝臓は別名人体の化学工場といわれ先程にもふれましたが血糖の調節や解毒、脂肪の分解を助ける胆汁の生成など人体の生命代謝にはなくてはならない臓器です。肝臓に代わる臓器は無く、機能が失われるとすぐ死に直結します。

治療としては食事療法を初めとして人工透析や薬剤の投与、ウイルス駆除を目的としたインターフェロン療法がありますが完治は難しく、症状が進行し重症になると最終的には肝臓移植に頼らざるを得ないのが現状のようです。今後バイオテクノロジーなどを駆使したより一層の医療の発展が望まれています。

痛風

痛風はある日突然、足、特に母趾のつけ根に激しい痛みが起こる病気で、その名の通り「風がふれただけでも痛い」といいます。患部は関節だけでなく、関節周囲組織、皮膚にもみられ、赤く腫れあがって靴をはくのも困難になる程です。

中年以降の男性に多く発症し、女性にはほとんど見られないこの病気は「高尿酸血症」という、血液中に尿酸という物質がたまりすぎた状態の人の10%の人に起こるとされています。

尿酸値(血液1デシリットル中の尿酸の値)が7.0mg以上になった状態を高尿酸血症といいます。高尿酸血症の状態で過労やストレス、暴飲暴食などを引き金として痛風の発作が起こります。炎天下で水分をあまり摂らずにスポーツをすると、夜になって発作を起こすこともあります。放置しておくと、痛風の発作が再発したり、関節に尿酸塩がたまってコブのようなしこり(痛風結節)ができることがあります。

また、高尿酸血症には他の合併症もあります。尿と一緒に排出されなかった尿酸が腎臓や尿路にたまるために、腎結石や尿路結石が起こります。尿酸が腎臓にたまって腎機能が低下した状態は「痛風腎」とよばれ、悪化すると腎不全に至ります。また、動脈硬化や、高脂血症の原因にもなるので、虚血性心疾患や脳の血管障害のリスクも高まります。

高尿酸血症は治る病気ではないので病気をコントロールする治療(生活習慣や食生活の改善と薬物治療)を一生続ける必要があります。

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