白血病(後編) 〜血球のがん〜

説明

白血病は血球のがんです。白血球や赤血球、血小板など各血液細胞は骨髄の中にある多能性造血幹細胞が分化、成熟して作られます。白血病はこの造血幹細胞が骨髄の中で腫瘍化してしまい、増殖する病気のことをいいます。
19世紀後半にドイツの病理学者であるウィルヒョウが最初に命名し報告しました。当時は治療法がなく、白血病になると死亡してしまいました。彼がその死亡患者を調べたときに血液中に白血球が異常に増加し、血液が白色のように見えたことから白血病と名づけたとされています。
詳しくは白血病(前編)をご覧下さい。

もし白血病になってしまったら

急性白血病になってしまったら一刻も早く抗がん剤を用いた化学療法を開始する必要があります。まずは初回寛解導入療法を行います。これは完全寛解(骨髄や末梢血液中に白血病細胞がない状態)を目的とした強力な治療法です。その他に中枢神経系に直接抗がん剤を投与する髄腔内注射や中枢神経に対して放射線療法を行う場合もあります。また、AMLの1つである急性前骨髄性白血病ではレチノイン酸(ビタミンA)を内服して白血病細胞の分化を誘導する分化誘導療法を行い完全寛解を目指すケースもあります。これらの治療途中に感染予防や抗がん剤の副作用に対しての治療も行われていきます。場合によっては途中で造血幹細胞移植を考慮することもあります。寛解導入療法後は残った白血病細胞を更に減少させる寛解後療法が行われます。

CLLでは進行がゆっくりであるため、リンパ球数の増加やリンパ節の腫れ、赤血球や血小板の減少などがみられるまでは治療を必要としません。病期が進行した場合は症状の改善を目的とした化学療法を行います。しかし、この白血病では根治できる方法が確立していないのが現実です。

CMLは2001年にイマチニブ(グリベック)が日本でも承認されるようになり治療法が大きく変わりました。この薬は唯一、この白血病を治す可能性があるとして期待されています。しかし、新しい薬であるため長期的な効果は確認されていません。この薬が効かなくなったら移植を検討するのが一般的です。

白血病の予防と対策

白血病になる原因がはっきりと分かっていないため、これをすれば発症しないとはいえないのが現実です。しかし、白血病は血液のがんであるため発がんリスクがあるものを避けることが予防に繋がります。リスク因子として喫煙、飲酒、食事、身体活動、体形、感染、放射線などが挙げられます。これらは様々ながんの発症リスクを高めます。特に喫煙と飲酒は全てのがんに対してリスクを高めることが研究データで分かっています。

白血病の中に成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)というものがあります。これはHTLV-Tといわれるウイルスによる白血病で感染経路は母乳と性行為です。日本では、九州を中心とした西南日本、紀伊半島、三陸海岸、北海道などで多くみられるのが特徴です。厚生労働省は平成23年より妊娠検診の1つにHTLV-T抗体検査を標準検査項目に追加しました。もし、お母さんが感染していた場合は赤ちゃんに人工乳で哺乳させるか、生後3ヶ月まで母乳でその後は人工栄養に切り替える、1度冷凍した母乳を与えるといった方法で感染を防ぎます。
性行為感染は,キャリアの男性の精液を介する感染が主と言われています。しかし,HTLV-Tの感染力は余り強くなく,反復継続した性行為を行う男女間における男性から女性への感染が主なものです。仮に感染したとしても成人になってからの感染ではATL発病のおそれはほとんどありません。

白血病にならないようにするには

がんの初期段階では、活性酸素や煙草に含まれるニコチン、タール、車の排気ガスに含まれるベンツピレン、ウイルスなどが細胞内の遺伝子を損傷し、先ずはがんの芽を形成します。通常は免疫細胞の働きによりがんの芽の段階で消失します。しかし、免疫機能が低下し、煙草、アルコール、食塩、脂肪、インスリンやエストロゲンなどのホルモン、活性酸素などの作用が加わることによりがんの芽は次の段階のがんへと進行してしまいます。がんの芽の段階で抑えるためには免疫力を高めておく必要があります。そのためには免疫力を高める食品や抗酸化作用がある食品を積極的に摂取することが有効です。

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