災害時のクラッシュ・シンドローム 〜2次災害を未然に防ぐために〜

説明

大きな震災時に長時間ガレキの下敷きになってしまった人が無事救出され、ひどい外傷もなく意識もあるため打撲などの軽傷と思われていた矢先に容態が急変し、様々な症状を訴え死に至ることもある症候をクラッシュ・シンドローム(挫滅症候群)(ざめつしょうこうぐん)といいます。

1995年の阪神・淡路大震災では約400人が発症し、うち約50人の方が亡くなってしまいました。この時以来、この名前が広く知られるようになりました。また、2005年に起きたJR福知山線脱線事故でも多くの人が発症していました。

クラッシュ・シンドロームとは(原因・症状等)

体の一部(特に腕や脚)が倒壊した建物などに挟まれ数時間圧迫され続けると、その部分の筋肉が壊死(えし)します。壊死したことにより、本来筋肉細胞の中にあるはずのカリウム・ミオグロビンなどの有害物質が血液中に大量に漏出してしまいます。そこで挟まれている物を外してしまうことにより、有害物質を含んだ血液が全身に流れ出します。

発症すると、意識の混濁(こんだく)・チアノーゼ・失禁などの症状が出てきます。重度になると、血中に漏出(ろうしゅつ)した有害物質により高カリウム結晶や高カリウム血症を引き起こします。

また、ミオグロビンは腎臓の一部に障害を与えるため、急性腎不全の原因となります。腎不全により尿が出なくなると、さらにカリウムの濃度が増えてしまい、ますます高カリウム血症が進行してしまいます。高カリウム血症は心室細動(しんしつさいどう)や心停止になる確率が高く、その結果死に至ることもあり得るのです。

もしクラッシュ・シンドロームになってしまったら

急に倒壊物など体を圧迫しているものを取り除くと、血中の有害物質が全身へと流れ出してしまいますので、まず圧迫部位より心臓に近いところをタオルなど幅の広いものでしっかり縛ります。この時、動脈を止めてしまうほどきつく縛らないよう注意します。この処置をしてから、体を圧迫しているものをゆっくり取り除きます。

クラッシュ・シンドロームの予防と対策

上記のように応急処置をしたら、すぐに病院で医師に診てもらいましょう。この時、どのくらいの時間が圧迫されていたかが治療の指針となるので、服や体などに書いておくと良いでしょう。治療は血液浄化療法をはじめ、水分補給や点滴による血中の有害物質の希釈も有効です。また心臓付近をゴムバンドで止めることにより、有害物質が心臓にまわるのを防ぐことが出来ます。

クラッシュ・シンドロームにならないようにするには

突然起こる事故や大震災時では特に救助の手が足りず、近隣の人たちで救出活動が行なわれることがあるでしょう。その時この座滅症候群のことを知っているか否かで、無事救出された人がその後、助かるかどうかが明白になります。いざという時のために心に留めておきたいものです。

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