片頭痛 〜脳血管の収縮と拡張が原因〜

説明

頭痛は大きく一次性頭痛と二次性頭痛の二つに分類されます。二次性頭痛は原因疾患があり二次的に発症する頭痛、一次性頭痛は原因疾患の無い頭痛です。

二次性頭痛は、腫瘍、脳出血、くも膜下出血、髄膜炎などの脳内病変です。これらには典型的な特徴があり一次性頭痛とはっきり区分けされます。一方、原因疾患の無い一次性頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがあり、中でも片頭痛は大変多い疾患です。

片頭痛とは

周期的に生じる片側性の頭痛で、ズキンズキンと脈を打つように拍動する痛みが特徴です。このことから血管性頭痛とも呼ばれています。男性より女性に多く、女性では月経前に生じやすく、遺伝傾向が強い事も特徴です。また、若年期に発症することが多く、年齢とともに発作の程度は軽くなる傾向があります。痛みのでる直前に神経症状を伴う場合があり、神経症状としては視力障害が多く、口唇、顔面、手のしびれなどの症状が前兆となることもあります。痛みは徐々に強くなり1時間ぐらいでピークに達し、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。とくに治療をしなければ、頭痛は数時間から数日程度持続します。

片頭痛の原因

片頭痛の起こる原因は、まだはっきりとは解明されていませんが、原因のひとつとして「脳血管の収縮と拡張」が考えられています。この「脳血管の収縮と拡張」に関与するのがセロトニンです。セロトニンは、鎮静効果をもつ神経伝達物質で、脳内と血液内に存在しています。血液内に存在するセロトニンは、血管を収縮させ、興奮を抑える働きをしています。セロトニンは太い血管を収縮させ、細い血管を拡張させます。セロトニンが誘発因子よって分泌された後、速やかに代謝され減少すると細い血管が収縮し太い血管が拡張します。その反動で片頭痛がおきます。女性の場合、生理前にエストロゲンが減少すると、血中のセロトニンも減少します。それが片頭痛が女性に多い理由です。逆に、妊娠中はエストロゲンが多くなるため、片頭痛は楽になります。

片頭痛の予防と対策

<片頭痛は、セロトニンの分泌と代謝に関わっています。以下の対策はセロトニンの分泌と代謝のバランスを保つのに役立ちます。>

「ウォーキングのすすめ」
(1)余計なことを考えず、歩くことに意識を集中する。
※ストレスはセロトニンの分泌を乱してしまいます。

(2)リズミカルに歩く。
※縫腺核(ほうせんかく)は、1秒2回のペースで動いているので このペースの刺激を一緒に与えると、より活発に動くことが分かっています。そして、運動のペースに縫腺核(ほうせんかく)が同調してくるまでに5分、 セロトニン生産量がピークになるまでに20分〜30分かかります。

(3)時間は30分位で疲れない程度に歩く。
※疲労はセロトニンの分泌を乱すため無理は禁物です。

(4)太陽の光を浴びる
※セロトニンは眼から入る太陽の光の刺激で分泌されます。

また、夜の睡眠も大切です。夜はメラトニンが分泌されることで熟睡できます。メラトニンは神経伝達物質で、セロトニンから作られます。メラトニンを十分な量作るには夕方までにセロトニンを十分作っておくことが必要になります。メラトニンはセロトニンと逆で、目に太陽の光が入ってこなくなると作られ始めます。目を閉じることで光を遮断すると生体時計が睡眠スイッチを押します。メラトニンが十分でないと睡眠にもなかなか入れず睡眠の質も低下します。

片頭痛が起きてしまった場合の対象法は、脳の血管が拡張している事が原因ですので、保冷剤などで額やこめかみを冷やして血管の拡張をしずめる事です。また、暗くした静かな部屋で横になる事も効果的です。

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