帯状疱疹(たいじょうほうしん)

帯状疱疹とは、痛みを伴なう水疱(すいほう)が皮膚にできる感染症です。
これは、水痘(すいとう)を引きおこすのと同じヘルペスウィルスである水痘ー帯状疱疹ウィルスによって引きおこされます。
はじめて水疱に感染し、それが終わった後に、ウィルスが脊髄神経や脳神経の神経節に潜伏します。
それが何らかの原因で免疫力が落ちた時に活性化し、冒されている神経根の支配域の皮膚分節に、通常一側にのみ症状を表します。
水疱が現れる3〜4日前に、気分がすぐれなかったり、寒気を感じ、熱が出たり、吐き気がしたり、下痢になる人もいます。
症状の出ている部分は軽く触れただけでも、痛みを伴うことがあります。
水疱は、できてから5日程で乾燥しはじめて、かさぶたになります。かさぶたができるまでの水疱には、帯状疱疹ウィルスが入っていて、人に伝染して水痘をひきおこすことがあります。
感染した神経の支配域に、帯状疱疹が治った後にも数ヶ月から数年、痛みが残ることがあり、これをヘルペス後神経痛といいます。
帯状疱疹を経験した人の10%に起こり、高齢であるほど確率は高くなります。痛みは1ヵ月〜3ヵ月で大半はおさまりますが10〜20%ぐらいの人は1年以上続くことがあり、稀に10年以上続くこともあります。
帯状疱疹の治療法は、特に有効なものがあるわけではなくて、いったん発症してしまうと薬物によるウィルスの排除は難しく、せめて二次的な細菌感染を防ぐために皮膚を清潔にしておくことが必要です。また、ヘルペス後神経痛に対しても数々の治療がなされてきましたが、必ず効くという治療はありません。また、特定の治療が必要なほど痛みは強いわけではありません。

心室細動

去る11月21日、高円宮憲仁親王殿下が47歳という若さでご逝去されました。宮内庁によると、宮さまはカナダ大使とスカッシュをしている途中突然倒れたとのことです。救急車で病院に運び込まれたときにはすでに心肺機能は停止しており、心臓マッサージや人工心肺装置による救命措置の甲斐なく回復されませんでした。翌日の報道で宮さまの死は心室細動による突然死と発表されました。

突然死とは「予期せぬ突然の病死」で、医学的には発症から死亡までの時間が24時間以内の死と定義されています。突然死の原因では、急性心筋梗塞、狭心症、不整脈など心臓病によるものがその6割を占め、その他脳血管障害、消化器疾患などがあります。突然死のうち心臓由来のものを特に心臓突然死といい発症から1時間以内に死亡するため瞬間死とも言われ、わが国では年間5万人を数えます。

普段規則正しく拍動する心臓のリズムが不規則になってしまうものを不整脈といいます。その中には心臓突然死の原因になってしまうものもあります。中でももっとも危険なのが、心室に異常な電気信号が発生して心拍数が急激に増加する心室頻拍と心室細動です。心室細動では心拍数は1分間に400〜600回に達し、心室が全体で収縮せず一部分ずつでしか収縮しないので心臓から血液が拍出されず、脳に虚血がおこり死に至ります。心室細動で倒れた人を救う方法は発作直後から心臓マッサージと人工呼吸を同時に行い、救急車を呼ぶしかありません。救急医療では除細動器で心臓に直接瞬間的に電流を流し心室細動を停止させます。

もし定期検診などの心電図検査で心室頻拍や心室細動の診断が下ると、抗不整脈薬の投与と原因の箇所を焼くカテーテル焼灼術が行われます。これで治らない場合、救急時に使う除細動器を小型化したペースメーカー機能つきの機械を皮下に植え込みます。この機械は20年前にアメリカで開発され日本では3年前から使用されるようになりました。心室細動が起こるとセンサーがこれを感知し、速やかに電気ショックを起こすように設計されています。しかしながら検査で異常が発見されない前兆のまったく無い心臓突然死につながる心室細動も存在します。こうした心室細動にはストレスが大きく関わっていると考えられています。事実、阪神淡路大震災やロサンゼルス地震などの際には心臓突然死が急増したと報告されています。日ごろのストレス解消が突然死予防にもつながるというわけです。

睡眠障害

現代社会の文明病ともいえる睡眠障害は、近年増加の一途をたどっています。不規則な生活や肉体的、精神的に被るストレスなど様々な理由で体のリズムを崩されています。中でも電球や蛍光灯の室内照明やテレビ、コンピュータなど太陽光以外の光がかなり睡眠障害に関係があると考えられています。
地球上の生物体にはサーカディアンリズムという1日を単位とする生命現象のリズムがあります。人間もしかり、このメカニズムを持っています。よく言う「体内時計」がそれで、体内時計のリズムによって体温や血圧の調整や睡眠時間などを決めています。人間のサーカディアンリズムはほぼ25時間と言われ、そのままだと1日1時間ずつずれていくことになり、どこかで修正しなくてはなりません。それは朝日を浴びることによって成されていると考えられています。
睡眠のメカニズムは完全には解明されていませんが、脳の後底に位置する内分泌器官の松果体から分泌されるホルモン「メラトニン」が関与しているらしいことを1993年マサチューセッツ工科大学の研究グループが発表し注目を集めています。そもそもメラトニンは性的発育の抑制に作用していると言われてきましたが、近年になって外界の光周期情報を体内に伝えると共に睡眠を促進する効果もあるとされています。そしてメラトニンの血中濃度が夜に高く昼に低く、若者で高く老人になるにつれ低いことが確認されています。以上のメカニズムを利用して医療機関の中には睡眠障害の治療に大量の光を発生させる機器を使い、メラトニンの分泌を調整させる試みをしている所もあります。
日常生活で可能な睡眠障害の予防処置としては、起床後すぐに外で十分な太陽光を浴びて正常な睡眠のリズムを作っていくことです。たとえ曇りであっても治療用の電灯よりもルクスが高いので外に出ましょう。

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