気になるスポーツ
気になるスポーツ(3)

《野球とは》 〜歴史とルール〜
野球は日本で最もポピュラーなスポーツの1つです。起源は12世紀頃のイギリスで行われていた「ラウンダース」であるとされています。その後アメリカに移住したイギリス人が「タウンボール」という名前で行われるようになりました。当初のルールはその都度決めていたようでが、1845年アレクサンダー・カートライトにより統一したルールが定められ、このルールがベースボールの原型と言われています。
そして1846年6月19日ニュージャージー州で、公式記録に残る史上初の試合が行われこの日を「ベースボール記念日」または「ベースボールの日」と呼ぶようになりました。
日本に野球が伝わったのは1871年に来日したホーレス・ウィルソンが東京開成学校で教えたのが始まりです。その後「打球おにごっこ」という名で全国に広まり、1894年中馬庚の文章の中で始めて「野球」という言葉が使われました。
ルールは他のスポーツに比べかなりの数があります。大まかなルールとしては9人ずつ(DH制の場合10人)2チームに分かれ、攻撃と守備を繰り返し、得点を取り合います。攻撃側が3アウトになると攻守が入れ替わり9イニング(回)まで行われます。

《主に使う筋肉・関節》
全てのスポーツでは全身の筋肉が連動・協調して動作が行われています。中でも野球で多く見られる動作は「投げる」「打つ」「走る」です。
「投げる」「打つ」共に下半身から始まる一連の運動連鎖により体幹、そして上肢に力が伝えられます。この力が最終的にボールやバットに伝わるのです。
投球と打撃で共通して多く見られる動作が体幹と下半身の回旋(捻る)です。この回旋運動のストレスに耐えるために内転筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、外・内腹斜筋、大・中殿筋、大腿筋膜張筋が重要になってきます。
上半身では大胸筋、広背筋、僧帽筋中部・下部、三角筋、前腕の伸筋・屈筋などが強く作用します。その他にバッティングでは腓腹筋やヒラメ筋、上腕二頭筋・三頭筋、前鋸筋など数多くの筋肉が協力し合ってバッティングという複雑な動作が行われています。
投球動作で大事なるのがローテーターカフと言われる筋肉群です。この筋肉群は棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋を総称してこのように呼びます。肩周辺の深部にあり特にピッチャーでは最も重要な筋肉だと言えます。

《障害を起こしやすい部位》
多く見られる障害は肩や肘、手首や手指の骨折、打撲などが上げられます。まず肩では肩峰下滑液包炎、インピンジメント症候群、上方関節唇損傷、ベネット病変などです。
15歳未満だと上腕骨近位の骨端線離開も見られます。次に肘では内側側副靭帯損傷、内側上顆炎、尺骨神経損傷、内顆剥離骨折などがあります。小児では上腕骨遠位骨端線離開もよく見られる障害です。
何れもピッチャーのように投球を多く繰り返す選手に多い障害でオーバーユースが原因と考えられます。打者では肋骨疲労骨折や死球での手指(小指)と手首の骨折(有鈎骨)です。さらに腰痛も多く見られる症状です。

《障害を起こさないための対策》
肩と肘の障害はオーバーユースが原因と考えられるので運動後は肩と肘のアイシングを十分に行うことが大切です。そして運動前はウォーミングアップをしっかり行い運動後は肩や肘及び全身のストレッチングをしっかりと行いましょう。これは全ての障害を予防する大切なことです。
また投球フォームが障害を起こす原因になることもあるのでもう一度フォームを確認するのも大切です。
成長期に痛みの中、投球を続けると骨変化をきたし、数ヶ月から長くて数年の投球禁止になってしまいます。少しでも肩や肘に痛みが出た場合は直ちに投球を中止するようにしましょう。また小・中学生ではチーム内で投球数の制限を行い負担をかけ過ぎないことをおすすめします。
 
オススメの体操

棒体操
アイロン体操
前腕のストレッチング体操
大腿筋膜張筋のストレッチング体操
腹横筋・腹斜筋のストレッチング体操

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