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気になるスポーツ(11)カッターボート

《カッターボート》 〜歴史とルール〜
カッターボートは、長さ9メートル、中央部の幅2.45メートル、深さ0.83メートルの大型のボートを艇長並びに艇指揮の指示の下、12人の漕ぎ手が左右に並び4メートル余のオールで水をかき、14人が一体となって行われる団体のボートレース競技です。もともとカッターボートとは、大型船や船舶などに搭載されているボートで、救命艇、連絡艇として用いる為につくられたものですが、今日では商船大学や水産大学など船員養成の学校で必須教科としてカッターボートを採用しているところが多いようです。競技種目は一般の部で距離:1000m折り返しの計2000m(人数:艇長、艇指揮 各1人、漕ぎ手 12人 計14人)、女子の部で距離:直線1000m(人数:艇長、艇指揮 各1人、漕ぎ手 6人 計8人)となっています。また水産、海洋高等学校では伝統的スポーツとしてカッターレースが行われており、折り返し1000mのコースで行われます。

《主に使う筋肉・関節》
カッターボートは体全身を使うとても優れたスポーツです。一人ひとりの体力や技量もそうですが、艇長並びに艇指揮の指示の下、チームワークが大きなカギを握る団体競技です。座っている状態から立ち上がり、それを繰り返しながら漕ぐ方法など様々な漕ぎ方あります。現在主流なものは、無駄な動作をなくしピッチ(毎分オールが水をかく回数)をより多くする事でスピードを上げるというものです。大きなオールを引くときはより水を捕らえられるよう、オールの先を水面に対して90度にし、身体をそらしながら突き上げるように漕ぎます。またオールを戻す際は、ボートの内側にオールを少し引きながら回転させ、水面に水平になるようにします。この動作では前腕屈筋群、大胸筋、上腕二頭筋、広背筋、脊柱起立筋群、大腿四頭筋などの筋肉を主に使います。なかでも広背筋、脊柱起立筋群、大腿四頭筋などはオールを漕ぐために、とても重要な筋群です。
 

《障害を起こしやすい部位》
カッターボートはオールに体重をかけて全身を動かしますが、ボートを漕ぐことに慣れていない初心者の方は、腕の力に頼ってしまい、上半身、特に背中、肩、首を痛めてしまう傾向があります。またオールの操作による手首の障害を起こすケースもあります。慣れてくるにつれて全身を使って漕げるようになりますが下半身に負荷がかかりやすく、特に反復動作により腰椎椎間板、椎間関節や靭帯などへの負荷がかかり、腰椎症などの腰の障害や筋肉疲労を起こす傾向があります。

《障害を起こさないための対策》
カッターボートは左右に分かれてオールを漕ぐので、どうしても片側に偏った筋肉を使う事になり、左右差がでてしまいますが、両側を交互に漕ぐなど左右のバランスを保つ事が重要です。また腰椎症などの腰痛を起こさないために、腰椎の前弯を保つようにオールを漕ぐ事が大切です。多くの場合は腰を前に屈曲させ、上肢の反動を使ってオールを漕ぎますが、腰を屈曲させた状態から反る動作がもっとも腰を悪くします。なるべく腰を曲げず、脚の付け根で身体を曲げるように心掛けることで、腰痛を軽減できます。

オススメの体操

脊柱起立筋群のアイソメトリック体操
腰のストレッチ体操
僧帽筋のアイソメトリックス体操
大腿四頭筋のストレッチイング体操
腸腰筋のアイソメトリック体操

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