食餌法と薬物法
急性病の養生法には多種多様な方法があるが、一般的に、急性疾患において重病に見えても、患者が壮年期で体力があれば、瀉血をするとよい。咽頭炎は、両腕から瀉血し、軟膏を首のまわりに塗り羊毛を巻き、お湯に浸して絞った海面を当てて温める。肺炎は、蜂蜜に入れたガルバヌムと松かさの芯を調合したものや醋蜜(お酢の一種)に入れたニガヨモギなどがいい。便秘は座薬が最もよう。それでも良くならないときは、ダウコスを芳香ぶどう酒で潰して朝沐浴前の空腹時に飲ます。胃炎は流動食を摂らせる。飲み物は蜂蜜水が効果がある。痔は太く長い脱脂していない生羊毛の糸を針で刺し貫き、強く結び腐蝕剤を用いる。
薬物は下剤としては干しイチジク1個につきタカウダイの汁を7滴たらして、食前にあたえる。止血剤は、イチジクの搾り汁を羊毛に浸し、血管にあてがう。眼の薬としては、きれいにした酸化銅を油に混ぜ、水気のない粉状にして滑らかに潰し、熟して苦いぶどうの汁で湿らせ陽光に晒して乾かし、軟膏状の粘り気にしたものを眼に塗ったり、眼の縁に注いだりする。以上、急性病の代表的な食餌法と薬物法を記述した。
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